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心臓移植になぜ2億円もかかるのか

投稿者: | 2015年12月29日

心臓移植と脳死

心臓の病気と一口で言っても様々な要因と症状がありますが、ペースメーカーや人工弁などの医療機器の補助があれば、日常生活に支障ない程度に健康を維持する事が出来ます。
しかし、心臓本体に疾患があり且つ治癒が困難な病気であれば、心臓移植を希望するのはごく自然の成り行きです。
心臓移植の希望者をレシピエントと言いますが、それに対して臓器提供者はドナーと言い、現在レシピエントに対してドナーの数が圧倒的に不足しているのが現状です。

結果として日本人の心臓移植希望者の多くが海外での移植手術を選択していますが、すぐに渡航して手術を受けて帰ってこられるほど簡単ではありません。
まず、日本の病院に入院して治療を受け、いざ渡航することが決まった場合、渡航費用、現地での家族の宿泊費用および生活費、入院費、手術費など、少なく見積もっても数千万円という巨額な費用が圧し掛かってきます。

移植を希望してもドナー提供者がすぐに見つかるわけではなく、順番が回ってくるまで何年もかかる可能性があり、待機費用が生計を圧迫します。
費用負担を軽減するために広く募金を募り、不特定多数の方の善意によるところが大きいのが今の心臓移植の現状なのです。

臓器提供の意思

様々な身体の部位を必要とする患者は多く、それに対して臓器提供者を増やすべく、健康保険証の裏面には「臓器提供に関する意思表示の記入」欄が設けられています。
自分にあてはまる選択肢を選んで○をつけておきましょう。
臓器提供を認める場合は、心臓が停止した死後のみ認めるか、あるいは脳死後の提供も認めるかで2つの選択肢があります。

また、提供したくない臓器があれば、その臓器に○をしておくことで、本人の意思を尊重する事ができるのです。
提供したくない臓器として、心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、小腸、眼球とあり、現在移植が可能な臓器がこの7つであることが推察されます。

臓器提供者の数

なんらかの事情により、臓器移植ネットワークに臓器提供の意思表示をしていても、家族が承諾しなければ実際に提供する事は難しいのが現状です。
また宗教的な事情から臓器提供ができない、また逆に臓器移植ができる状況であっても受け入れる事が出来ないケースもあります。

他人の臓器を頂くということは、医療の進んだ現代においても決して簡単なことではなく、成功例は臓器希望者の数に対してかなり少ないのです。
JOT(公益社団法人日本臓器移植ネットワーク)の公式サイトによると、9月までの移植希望登録者数が13,796人のうち、心臓移植希望者は438人で、幅広い年齢層が登録しています。

平均待機期間は平均2年9ヶ月ですが、5年以上の方が9.5%もおり10人に1人は長期入院をしながらドナーの提供を待っているのです。
2015年1月から9月までに国内で心臓移植を受けた人の数は28人、欧米に比べて極めて少ないというのが現状なのです。
この待機期間が長ければ長い程、心臓移植にかかる費用が高額になっていくことは言うまでもありません。

心臓移植先進国

心臓移植に関して最も進んでいるのがアメリカです。
1981年にスタートし、現在は年間2千人以上の患者に移植手術を施しています。

日本でドナー登録数が増え、スムーズに移植手術を受ける事ができる様になれば、数億円もの費用は必要なくなるのです。
そのためJOTは心臓提供者と希望者を繋ぐため、臓器提供の意思登録をネットからも簡単にできるようになっています。